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声紋とは?

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人の発声メカニズム

まず、「発声せよ」という脳からの指令に基づいて、
肺から押し出される空気によって声帯を振動させ、
「三角間隙鋸歯状波」というブザーのような「声帯の
基本振動音」を作ります。この時点ではまだ「ア」と
か「イ」とかいうような音ではありません。この声帯
の基本振動音が、(頬骨、上顎骨、下顎骨等によっ
て構成される)口腔、鼻腔等の声道を通過する際に
この声道内の容積に共鳴したものが、口や鼻から
外部に放射することによって、我々の耳に達する「
声」となるわけです。




          声紋とは

人間の声というものは様々な周波数の音の集まりで構成され
ています。人間の声を、どの時間に、どの周波数の音を、ど
れくらい含んでいるかをソナグラフという機械で視覚的に三次
元表示したところ、指紋のように人それぞれ異なった紋様とし
て表すことができました。そこで、先代所長が「指紋」が指の
紋様なのだから、声の紋様を「声紋」と名付ければわかりや
すいと考えたのです。それから約25年経過して、ようやく一
般の方まで「声紋」という言葉が浸透していきました。


昭和45年、京都外語大講師の三好氏によって発表された「
声と顔立」との相関関係の研究により、声の違いは発声器官
(口腔、鼻腔、声帯)や口唇、舌などの話すことに関わる部分
の違いから生じるものですが、特に声の音色に関しては、口
腔や鼻腔の容積及び構造に規定されているということが解明
されました。人の顔形がその人それぞれで異なるように、声
が構成される声帯から口腔、鼻腔の形も人それぞれ固有の
特徴を持つことから、声にもその人固有の個性が表れます。
また、身長は声の高低と密接に関係しています。一般に身長
の高い人ほど体の各部位も大きく、声帯も例外ではなく身長
が高い人ほど声帯が大きいのです。大きい太鼓と小さい太鼓
では大きい太鼓の方が低い音が出るように、大きい声帯を持
つ人、つまり身長が高い人ほど低い声が出るのです。このよ
うな特徴を声紋分析することにより、個人の特定が可能にな
ります。今では技術の発達、その精度も増し、性別、顔形、身
長、年齢等を特定することが出来るようになり、犯罪捜査の
決め手になることも少なくありません。